フィリピンの駐車場、ちょっと異次元です。なにせ、入る時も出る時も、まるでF1のピットクルーのように颯爽と現れては、車をスムーズに誘導してくれる「駐車場の番人」がいるんです。しかも、この番人たち、なぜか大体どこの駐車場にもいる確率が高い。日本でいえば、コンビニに必ず「おばさん店員」がいるくらいの確率です(ちょっと言いすぎか)。

そして、車を出すときの儀式──それがチップ。まるで「無事に出庫できた記念品」のように、小銭を渡すのがフィリピンのたしなみ。ここでケチると、次から誘導が“省略”される可能性すらあるとかないとか。

驚くべきは、その“誘導クルー”の顔ぶれ。大人の男性はもちろん、女性も、そして時には「君、まだ宿題終わってないだろ?」って年齢の子どもまで参戦。年齢不問、性別不問、まるでオーディションなしの全員参加型です。

それでもフィリピン人は、彼らにちゃんとチップを渡します。お金の額というより、「ありがとう」の気持ちがチップに込められているんですね。

一方、日本の我々からすれば、「えっ?誘導されたのにお金も渡すの?」とビックリ。でも世界を見渡すと、チップ文化がある国もあれば、全然ない国も結構あります。中国や韓国、シンガポールは基本チップ不要だし、あのフランスでさえも「サービス料込み」が一般的。つまり、日本だけが変わってるわけじゃなかった!

とはいえ、フィリピンでのチップは義務じゃありません。が、サービス業の給与が低い事情もあり、チップは彼らにとって“生命線”。観光地のホテルやレストランじゃ、チップなしだとちょっと冷たい視線が飛んでくるかも……(経験者は語る)。

そして最も興味深いのは、駐車場誘導員って別に正式に雇われてるわけじゃないんです。いわば“フリーランス・ガイド”。勝手に誘導して、勝手にチップを受け取る。でも、駐車場のオーナーもそれを咎めるどころか「いいねぇ、集客になるし♪」と、まるでWin-Win関係。完全に“自営業 meets 路上芸人”の世界。

実際、大通り沿いの駐車場では、誘導員がいないと命がけの出庫作業になります。車社会のサバイバルゲーム、彼らがいるだけで難易度がグッと下がります。

しかも、フィリピンでは公共施設などでも誘導員がいるのが当たり前。いなかった日には、駐車場が“リアルバトルロワイヤル”と化してるかもしれません。

ちなみに、彼らの収入源は100%チップのみ。つまり、今日は1台も誘導できなければ、晩ごはんは「空気の味」。そのサバイバル精神、逞しすぎて泣けてきます……。

そしてふと思うのです。日本でこれやったらどうなるだろう?たぶん、「おじさん、どいて」って言われて終わりでしょう。チップどころか、警察呼ばれるかもしれません。

でも、これが「文化」ってやつなんですよね。どっちが良い悪いじゃなくて、その土地に合ったやり方で生きていく。それを実践してる人を見ると、「人間って、すごいな」って、しみじみ思うわけです。

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