人間、生きてりゃ風邪もひくし、お腹も壊す。そんな時、日本人はだいたい3パターンに分かれる。

まずは「とりあえず薬局で市販薬買って様子見よう」派。風邪薬、のど飴、栄養ドリンクのフル装備で、まるで小さなドラッグストア。
次に「薬?そんなもんいらん!ワシの自然治癒力があるじゃろ!」と、気合いと根性で治そうとする昭和魂全開のタイプ。
最後は「やだ無理、秒で病院行く!」と、ちょっと熱が出ただけで速攻クリニックに駆け込む慎重派。

でもまあ、こんな選択肢があるのも、日本が医療大国であり、みんな健康保険に入ってるから。ありがたや〜。

ところが、お隣フィリピンでは話が違う。こっちは選択肢なんて贅沢なものはない。基本、「我慢一択」。
熱が出ても「うーん、気のせいかな?」
お腹が痛くても「うーん、昨日のバナナのせいかも?」
とにかく耐える、待つ、耐える。そして限界を迎えて「これは…死ぬかも?」ってなって初めて、家族会議開催。

「ちょっとさ、なんとかお金出せないかな?」
「うーん、親戚に聞いてみる…?」

資金がなんとかなったら、やっと病院へ。しかしここでも一筋縄ではいかない。
診察してもらい、「じゃ、次は薬局で薬を買ってね〜」と言われる。ところがその薬代が高い!思わず財布が震えるレベル。
結果、薬を買わずに帰宅する人もちらほら。「あれ?オレ何しに行ったんだっけ?」状態。
唯一の収穫は「病名がわかった」こと。でも治療してないから、実質ほぼ自宅療養と変わらない。むしろ交通費分マイナス。

「いやいや、さすがに命に関わる病気なら治療するでしょ?」と思ったあなた、甘い。
フィリピンでは、がんですら「お金がなけりゃ放置!」が現実。悲しいけど、これがリアル。

実は、フィリピンにも健康保険制度がある。名前は「PhilHealth(フィルヘルス)」というちょっとカッコいい響き。
一応、国民全員加入が義務…なんだけど、実際に入ってるのは「ちゃんとした会社で働いてる人」限定。
屋台でバーベキュー焼いてる兄ちゃんや、トライシクル(バイクタクシー)のドライバーたちは、たいてい未加入。

というのも、月収10,000ペソ(約2万5千円)だと、保険料が月500ペソ(約1,250円)。収入の5%ってなかなかキツい。
しかも、日本のような「減免制度」はない!収入ゼロでも「払え?あんた、ジョーク?」って言われちゃう。

さらに、月収100,000ペソ以上(約25万円)だと、保険料はなんと5,000ペソ(約12,500円)!高っ!
企業と折半とはいえ、負担は大きい。

そして極めつけは…フィリピンらしい「やらかしエピソード」。
なんと、病院の事務員が患者のフリしてベッドに横たわり、診察を受けたフリ→健康保険を不正請求!
フィリピンでは“医療ドラマ”よりも“医療コント”の方がリアルだったりする。

お金がなくて病院に行けない人もいれば、どうにかして不正にお金をゲットしようとする人もいる。
それが、愛すべきカオスの国・フィリピンなんです。

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