
薬を買うって言うと、皆さん想像するのは「薬局で市販薬を買う」か「お医者さんに行って処方箋もらって買う」か、この2パターンですよね?でも、それは日本の話。フィリピンでは、ちょっと事情が違うんです。
というのも、フィリピンではなんと――処方箋の薬が処方箋なしで買えちゃうんですよ!
……え、それ大丈夫?って声が聞こえた気がしますが、これが日常なんです。
薬局にあるのは、棚じゃなくて“会話”
日本では、「お、頭痛だな。バファリンかな」と自分で棚からサッと選んで買いますよね?
でもフィリピンでは、棚から薬を選ぶなんてことはありません。なぜなら、棚がない。いや正確には、「薬が並んでる棚」がないんです。
代わりにあるのは、カウンターの奥に鎮座する薬剤師さん。彼らがあなたの症状を聞き取り、ベストな薬をゴリゴリにセレクトしてくれます。
欲しい薬があるなら、名前をきちんと言う必要アリ。間違って「パラメヒコール」とか言っちゃうと、「あ、それはメキシコ料理かな?」とスルーされるのでご注意を。
万能薬BIOFUL、何かあったらとりあえずコレ!
風邪をひいたら何飲む?日本なら葛根湯?ルル?
フィリピンでは**BIOFUL(バイオフル)**がド定番。もうね、何か体調が悪かったら「とりあえずBIOFUL飲んどけ」っていうレベルで愛されています。
しかもこれ、医者の処方薬。それが、近所の薬局で普通に買えちゃうんだから驚き。もう処方箋って何?って感じです。
頭痛?熱?パラセタモールがあなたを救う
日本だとロキソニンとかEVEが人気ですが、フィリピンのキング・オブ・鎮痛薬はパラセタモール。
これまた医師が処方するクラスの薬ですが、普通に薬局で買えます。コンビニ感覚で。
なぜこんな自由すぎる薬事情?その理由は…
この背景にはフィリピンの貧困問題があります。医者に行く余裕がない人たちも多いため、せめて薬だけでも手に入れやすく、というシステムになったんですね。
“命をつなぐための自由販売”という、実はシリアスで切実な理由が隠れています。
薬局の違いは、ちょっとした仁義なき戦い
ただし、どこでも買えるわけじゃありません。
Watsons(ワトソンズ):おしゃれ系薬局。SMモールの中に多く、処方箋がないと「その薬は売れません」スタイル。ちょっと気取ってます。
Mercury Drug(マーキュリードラッグ):フィリピンの“どんとこい”薬局。全国どこでも処方箋ナシで薬買えちゃう。漢(おとこ)です。
ここで都市伝説、SM vs Mercury Drug
昔々、まだSMが巨大モールになる前のお話。
SMの創業者が、「うちの商品、Mercuryさんで売ってくれません?」とお願いに行ったら、まさかの門前払い。Mercuryさん、強気です。
ブチ切れた(かは知らないけど)SM創業者は、「よーし、自分ででっかいモール作ってやる!」と発奮。
そして現在、SMはフィリピンのランドマーク的存在に。まさに逆境からのサクセスストーリー。しかもMercuryさんに断られたから、仕返しでSMにMercuryさんがないんだって。サンデー・マンガ連載も夢じゃない。
どうでしょう?フィリピンの薬事情、なかなかスリル満点でしょう。
「薬を買う」という行為ひとつで、文化と社会背景まで垣間見えるとは…薬局、侮れません。


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