鶏

フィリピン人の物忘れ力は、もはや芸術の域に達しています。何度も念を押さなければ、お願いしたことが「違うこと」になっていたり、そもそもお願い自体が跡形もなく消えていたりするのがフィリピン人の真骨頂。驚くべきは、その忘れっぷりが、日本のご老人に引けを取らないレベルだということ。むしろ、「物忘れは神の恵み」と信じている節があり、これもまたフィリピン流。

さて、日本で働くフィリピン人も、長く日本に住むと次第に進化を遂げ、物忘れの頻度が減ってくるものの、日本に来たばかりのフィリピン人は、本国仕様の「お忘れ体質」をそのまま持ち込んできます。お願いしたときはしっかり理解してくれているのに、3歩歩くと「ポイっ」と記憶がリセットされる鶏みたいな状態になることも。これは言葉の壁というより、何か別次元の力が働いているようにさえ感じます。

ちなみにフィリピン本国では、物忘れが原因で叱られることはほぼありません。日系企業でさえ、「まあ、忘れるよね」という寛大な雰囲気。加えて、フィリピンでは人前で叱るなんて絶対NGですから、物忘れ対策として編み出された秘策は「同じお願いを最低3回繰り返すこと」。さらに、週をまたいでのタスクを頼むのも避けましょう。休みを挟むと記憶がフルリセットされるので、前週の仕事なんてキレイさっぱり忘れ去られること必至です。

それでも長く日本にいるフィリピン人の中には、物忘れが薄れてきた人もいます。ただし、40代を過ぎると再び「記憶の霧」が濃くなり、自分で用意した食べ物を家に忘れるという可愛らしい(?)事例もちらほら。さらに、日本人がびっくりするのが、忘れたことに対して全く悪びれないこと。「しょうがない」の一言で終了する潔さには、思わず笑うしかありません。

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そんなフィリピン人も、忘れることが良くないと分かっています。ただ、それを解決するのは「神様の出番」。週末に教会で熱心にお祈りを捧げ、忘れたことを許してもらうのです。そして、「神様に許されたからOK」と、前向きな気持ちでまた日常に戻っていきます。この楽観的な姿勢が、実は彼らの魅力なのかもしれませんね。

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