
フィリピンに初めて降り立った瞬間、あなたを歓迎するのは、陽気なフィリピン人でも、あたたかい南国の太陽でもありません。
そこにいるのは、ハエとゴキブリ。
しかも、やたら数が多い。まるで「お前ら、何年も待ってたぞ!」と言わんばかりの大群。
街を歩けば、排水溝からゴキブリが元気に出入りしているし、生鮮食品売り場ではハエが「オレたちの市場!」とばかりに縦横無尽に飛び回っています。
(新鮮なのは、食材じゃなくてハエの生命力です。)
ここから先は、ある程度ハエとゴキブリに耐えられる方のみお進みください。
心の弱い方はここでブラウザバック推奨です。
さて、フィリピン生活で語らずにいられないのが、このハエとゴキブリとの強制共生問題。
まず、驚くべきはフィリピン人のハエに対する鉄壁のメンタル。
モールの中ではまあ許容範囲。でも一歩外に出て屋台めしを食べようものなら、あなたのランチはもれなく「ハエ付きオプション」が標準装備です。
日本人なら、ハエが止まった瞬間に「廃棄!焼却!絶対食べない!」ですが、フィリピンでは違います。
ちょっと手で払って、「まあ神経質な方が悪いよね」とでも言いたげに普通に食べます。
これ、もう宗教レベル。
「食事中にハエが止まるのは、むしろ縁起がいい」ぐらい言い出しても驚かない。
老若男女、ハエに顔を這われてもノーリアクション。たまに顔の上でハエが座禅でも組んでいるんじゃないかというレベルで気にしていない。
「ハエは空気」とでも思っている節があります。
しかもこれ、貧しい人たちだけじゃない。
高級住宅街に住み、2区画ドーンと買って悠々自適な友人家族も、ハエごとごはんを楽しんでます。
むしろ、「え?ハエくらいで?ダサ〜」みたいな顔されます。
モール内のパン屋に至っては、ショーケースの中にハエが飛んでいるのを見かけても誰も気にしません。
パンの味付けは「バター+ハエ風味」ですか?と聞きたくなります。
モールのレストランでも、たまにでかいハエが飛び込んできてテーブルを横断。
「お客様、追加注文はいかがですか?」とでも言わんばかりの堂々っぷり。
私が「ハエって病原菌運ぶから危ないよ!」と説明しても、反応は薄い。
フィリピンでは、病気よりも「食べることを邪魔される方」が大問題らしい。
そして、足元を見ればゴキブリがわらわら。夜になると、道路がゴキブリの大運動会と化します。
車道の真ん中でゴキブリが横断している光景、なかなかシュールです。
家の中でもゴキブリ祭り開催中。
見つけ次第、スリッパで**「成敗ッッ!!」**と叩き潰すのがフィリピン流。
ただし、ゴキブリ叩き潰すと細菌が飛び散って逆効果。
でもそんなの知ったこっちゃありません。生き残るのは、叩き潰した者だけですから。
面白いのは、ハエは完全スルーするのに、ゴキブリは一瞬で敵認定されること。
日本人からすれば「いや、どっちもアウトだろ!」ですが、フィリピンでは明確に線引きされているようです。
…文化って奥深いですね。
(そして、ハエとゴキブリの生命力に負けたら、胃腸も人間も終了です。)


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